神奈川の取組み「ヘルスケア・ニューフロンティア」

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(本記事は、神奈川県のサポートを受けて執筆しました。)


ヘルスケア・ニューフロンティア

日本では、人口の高齢化と低出生率が国内の医療に大きな影響を与えており、国、都道府県、市町村の各レベルにおいて政治的・行政的な対応が迫られている。政府が国全体に関わる政策づくりを行う一方で、都道府県などの地方公共団体は地域住民の医療ニーズに応える役割を担っており、今後その役割はますます重要となる。

東京の南西に位置する神奈川県は、世界で最も高齢化が進む日本の中でも、特に高齢化のスピードが早い県であり、医療や介護等の現在の社会システムを今後も維持していけるかが試されている。 この神奈川県では今、「ヘルスケア・ニューフロンティア」というユニークな政策が進んでいる。これは、医療政策と産業政策を組み合わせることで、健康づくりに対する県民の積極的な参加を促し、同時に、医療や健康関連産業の活性化を推進することを通じて、誰もが健康で長生きできる社会を目指す、先進的な取組みである。

© Healthcare New Frontier Promotion Bureau, Kanagawa Prefectural Government

また、神奈川県は、行政のトップである黒岩祐治神奈川県知事が医療・健康づくりを県の重要課題として位置づけ、自ら強いリーダーシップを発揮している点が特徴的である。なお、黒岩知事は、内閣官房健康医療戦略参与として日本の健康医療戦略全般に対するアドバイザーとしての役割も担っていることから、神奈川県の取組みは国の政策とも連動していると言える。ヘルスケア・ニューフロンティアに関連した一連の政策の立案および継続的な実施は、知事自身のヘルスケアに対する強い想いと関心、そして県内企業や県民との深い対話により行われてきたものである。
また、神奈川県には医療関連の企業や研究所が多く集積していること、さらには、国内外とのアクセスの拠点となる羽田空港に近接していることも、こうした取組みを進めるうえで大きな力となっている。

「ヘルスケア・ニューフロンティア」の2つのアプローチ

「ヘルスケア・ニューフロンティア」は、超高齢化社会の到来という急激な社会変化を乗り切り、誰もが健康で長生きできる社会を目指す神奈川県の新たなプロジェクトである。このプロジェクトは「未病を改善する」アプローチと、「最先端医療・最新技術の追求」のアプローチから成り立っている。「未病を改善する」というアプローチは、「ヘルスケア・ニューフロンティア」の根幹をなす考え方である。続きを見る

ヘルスケア・ニューフロンティアを支える基盤

神奈川県では、個人・患者中心のヘルスケアを実現し、「健康・安心・幸福」が持続する社会を目指している。このため、行政が牽引役となり、県民、医療機関、企業などさまざまな主体が、電子カルテ、治験・投薬データなどの健康・医療情報を効果的に活用できる仕組み(ヘルスケアICTシステム)の構築を目指している。 また、ヘルスケアICT基盤のアプリケーションとして 続きを見る

未病サミット神奈川2015 in 箱根開催しました




神奈川県では、2015年10月を「未病月間」として、未病概念の普及などを目的に、9月から11月にかけて県内各地において様々な未病関連イベントを開催している。 特に、「未病サミット神奈川2015 in 箱根」は、10月22日・23日の国際シンポジウムと、10月14日から16日にかけての展示会から構成される最大のイベントであり、大きな注目を集めていた。続きを見る


最終更新日:2017年10月