【2018年版】4.2日本における医療施設、病床の類型

日本における医療施設は、一般診療所(有床・無床)、歯科診療所、病院に分けることができる。図4-2-1からも分かるように、医療施設数のほとんどを診療所が占めている。

病院と診療所はベッド数によって区別されており、病床数が20床以上の医療機関を病院、19床以下もしくは入院設備がない医療機関を診療所という。2015年時点では、病院数8,480施設、有床診療所7,961施設、無床診療所93,034施設、歯科診療所68,737施設となっている。1987年から2015年で医療機関の増減幅をみてみると、病院が0.86倍と減少傾向にあるのに対して、無床診療所は、1.7倍となっている[2]。

病院、診療所を開設者別でみると、国立、公的医療機関、社会保険関係団体、法人、個人に大別することができる。図4-2-2からも分かるように、日本における医療提供体制は民間中心であり、診療所については、以前は個人診療所が多かったが、ここ最近は法人開設の診療所が最も多くなっている。イギリスやフランスなどにおける病院は公的機関が大半を占めることから、こうした状況は日本の医療提供体制の1つの特徴といえる[3]。

病院の類型については、一般病院、特定機能病院、地域医療支援病院、臨床研究中核病院、精神科病院、結核病院がある。このうち特定機能病院、地域医療支援病院、臨床研究中核病院は、一般病院とは異なる人員配置などの要件が定められている。こうした要件を満たした病院には名称独占が認められている[4]。

日本における病床には、一般病床、療養病床、精神病床、感染症病床、結核病床がある[5]。病床区分については、2000年の第4次医療法改正において、患者の病態にふさわしい医療を提供する観点から、「その他病床」の区分が「療養病床」と「一般病床」に区分された。図4-2-3からも分かるように一般病床が最も多くなっている。

一般病床のこうした動向は、国民皆保険制度達成後に実施された、高額療養費制度など医療費の負担軽減策等により、医療に対する国民の需要が伸び、それにあわせて病院、病床数が増加したという背景がある[6]。こうした背景の中には、退院して自宅に戻ったとしても生活ができない等の理由により退院できない「社会的入院」の患者が一般病床に多い実情もある。

団塊の世代(1947~49年生まれ)が2025年頃までに全員、後期高齢者となり、介護・医療費等社会保障費が急増することが指摘されており、今後はさらなる高齢化の進展が予想される中、限られた医療財源を効率的に利用する必要がある。医療機関の病床を医療ニーズの内容に応じて機能分化し、どの地域でも患者の状態にあわせて適切な医療を適切な場所で受けることができるように、政府は、2025年に向けて、病院ベッド数を115万~119万床へ減らすとしている[7]。

ここで病床数を都道府県別にみると、図4-2-4のように、地域によって大きなバラツキがある。人口10万対病院病床数が最も多い高知県と最も少ない神奈川県では約3倍の差がある。こうした地域差については、地域医療構想(Section4.4参照)を策定し、都道府県は知事に病床の医療機能等を報告し、それをもとに各医療機能の必要量等を含め、あるべき将来の医療提供体制を実現していくこととなる。

参考文献

[2] 厚生労働省「医療施設調査」http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/iryosd/15/dl/02_01.pdf(アクセス日2017年11月20日)

[3] 厚生労働省「海外における医療法人の実態に関する調査研究」報告書http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10800000-Iseikyoku/001_2.pdf(アクセス日2017年11月20日)

[4] 厚生労働省「平成29年度版厚生労働白書」http://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/kousei/17-2/dl/02.pdf(アクセス日2017年11月27日)

[5] 厚生労働省「平成29年度版厚生労働白書」http://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/kousei/17-2/dl/02.pdf(アクセス日2017年11月27日)

[6] 健康保険組合連合会(2017)「図表で見る医療保障平成29年度版」ぎょうせいp43

[7] 厚生労働省「全国厚生労働関係部局長会議資料」http://www.mhlw.go.jp/topics/2016/01/dl/tp0115-1-03-01p.pdf(アクセス日11月27日)