プロセス及びプレーヤー

日本の統治機構の概要

日本国憲法は1946年に制定され、1947年に施行されたもので、日本の議会制度と三権分立の基本的な構造、すなわち立法府、行政府、司法府のあり方について定めている。これにより、国の権限が三権に分立され、互いにチェックし合い、均衡を保つ仕組みが成り立っている。日本において立法府とは唯一の立法機関である国会を指す。国会は衆議院と参議院の2つの議院を指し、それぞれ選挙により選ばれた国民の代表によって構成される。通常国会は1月から150日間であり、議員は会期中に少なくとも1つの常任委員会の委員を務める。通常国会の会期は一度のみ延長が可能とされている。続きを見る

政策の決定プロセス

日本の医療政策の大部分は医療費の変化を考慮し随時改正が加えられるものの、基本的には立法の手続きを経た法案が政府の予算を含む政策プロセスの全体を形作っている。日本の会計年度は毎年4月から3月までであり、法案は予算案とともに翌年4月から始まる新年度に向けて提出の予定が組まれることとなる。医療政策に関わる法案およびその他の法案は内閣または国会議員により国会へ提出される。なお、日本では、議員提出法案よりも内閣(政府)提出法案の比率が高く約7割を占める。また議員提出法案の成立率は約2割と低いのに対して、内閣提出法案の成立率は 続きを見る

医療政策決定に関わるプレイヤー

日本の医療政策は他の先進国と同様に利害関係の範囲が広く、その決定プロセスは多くのステークホルダーを巻き込むものである。医療政策の決定に関わる主な関係組織は以下の通りである。国の行政機関は医療保険制度をコントロールすることにより医療の管理と規制を行っている。具体的には各省庁が政府と医療機関の保険契約の管理を行っており、これは1922年の健康保険法により規定された権限である[xi]。また、医薬品の治験、製造と販売後調査など製薬業界の動向を法令の制定を通して監視する責任も国の行政機関の管轄内であり、これらの法令は厚生労働省内外 続きを見る