6.4医療機器

医療機器の分類と承認

医療機器は、構造、使用方法、効果又は性能が明確に示されるものであって、「疾病の診断、治療、予防に使用されること」又は「身体の構造、機能に影響を及ぼすこと」のどちらかの目的に該当し、政令で定めるものである。[10]

医療機器は使用における安全上のリスクや目的や用途などの種別により、以下の4つの管理上のクラスに分類されており、クラスごとでその承認条件が異なる。

特に人体へのリスクの高いクラスIII及びクラスIVはPMDAの審査が必要になる。


医療機器の保険償還における評価区分

保険上、医療機器(保険医療材料)はどの評価区分に属するかによって、その価格の設定及び保険請求における取扱いが異なる。[11]

  • 「A1(包括)」「A2(特定包括)」及び「A3(既存技術・変更あり)」に該当する保険医療材料は、診療報酬項目(技術料)の中に当該製品の価格も含まれており、診療報酬項目と別に製品の価格を保険請求することができない。
  • 「B1(既存機能区分)」「B2(既存機能区分・変更あり)」及び「B3(期限付改良加算)」に該当する保険医療材料は「特定保険医療材料」と呼ばれており、機能区分ごとに製品の価格(基準材料価格)が決められており、技術料(診療報酬項目)とは別に保険請求することができる。
  • 「C1(新機能)」及び「C2(新機能・新技術)」に該当する医療保険材料は、B区分と同様、技術料(診療報酬項目)とは別に製品の価格を保険請求することができる。だが、承認時に、既存の機能区分に該当しないため、新たな機能区分が必要であり、また、「C2(新機能・新技術)」においては、それを用いる技術も診療報酬項目に収載する必要もある。
  • B3、C1、及びC2区分に該当する医療機器は中医協における了承が必要である。


新規医療材料の基準材料価格

銘柄ごとに保険償還価格が定められている医療用医薬品と異なり、特定保険医療材料は機能区分ごとに保険償還価格が定められており、これを「機能区分別収載」と呼ぶ。

新規医療材料の基準材料価格は類似機能区分があれば「類似機能区分比較方式」、類似機能区分がなければ「原価計算方式」で設定されており、診療報酬改定・薬価改定と同時に改定されている。[12]基準材料価格の改定においては、医薬品と同様、実際の市場価格とのかい離率を基に改定をされており、基本、市場実勢価格に消費税を加えた算定値に一定幅(4%)を加算した額に改定される。

また、厚労省は基準材料価格において、イノベーションを評価する制度も導入している。

  • チャレンジ申請:使用実績を踏まえて保険収載後に新規機能区分の該当性について再度評価を行うことができる仕組み
  • 期限付改良加算:既存機能区分の既収載品と置き換わり得る製品に対して、同一機能区分としつつ、当該製品が新規収載されてから2回の改定を経るまで時限的に加算する仕組み
  • 機能区分の特例:革新性の高い製品や先駆け審査指定を受けた製品について、保険収載されてから2回の改定を経るまで、他の既収載品とは別に材料価格改定等を行い、後から申請するB区分製品の価格の影響を抑制する仕組み

今後、医療機器においても、医療用医薬品と同様により適正な償還価格を設定できるよう、償還価格の決定における費用対効果に基づく価格調整方法の導入等が協議されている。[13]

 


参考文献

[10]一般社団法人 日本医療機器産業連合会「医療機器について」http://www.jfmda.gr.jp/device/about/ (アクセス日 2018年4月30日)

[11] 厚生労働省「平成30年度 保険医療材料制度改革の概要」https://www.jdta.org/pdf/20180404-3.pdf(アクセス日 2018年5月1日)

[12] 厚生労働省「平成30年度 保険医療材料制度改革の概要」https://www.jdta.org/pdf/20180404-3.pdf(アクセス日 2018年5月1日)

[13] 厚生労働省「平成 28 年度保険医療材料制度改革の概要」http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000114377.pdf(アクセス日 2018年4月30日)