群馬県

県の教育計画として定めることにより、すべての生徒が学ぶ機会を醸成

基本情報

  • 性教育の指導方針
    • 公開なし
  • 取り組みの概要
    • 公立の小・中学校および高等学校(全日制・定時制)を対象とした講演会の実施
    • 小・中・高等学校、特別支援学校の教職員を対象とした研修会の実施

取り組みの背景

  • 10年以上継続されている。事業名に「性・エイズ」とあることから、エイズ対策に重点の置かれていたことにより開始されたと思われる。

取り組み内容

■ 命・性・エイズ教育講演会(以降、講演会)

対象者・全公立の小・中学校および県立の高等学校(全日制)
・高等学校は、全校生徒もしくは1年生を対象として実施
・定時制や特別支援学校に対しても実施を推奨している
講師・小、中学校の場合は、各学校の保健主事、養護教諭らが講師の情報共有をして依頼しているが、県からも講師リストを共有している
・高等学校の場合は、医師会産婦人科医会に依頼し、講師をリストアップしている。平成29年度は16名
予算措置・小、中学校の場合、各学校がPTA会費等により負担することが多い。ただし、県のこども未来部 児童福祉課による予算や、市町村の予算が活用されていることもある
・高等学校の場合、隔年で県が費用負担。中核市(前橋、高崎市)は保健体育課、中核市以外は保健予防課から拠出。県が負担しない年は、学校側が負担する
実施頻度・年に1回
・平成28年度は、小・中学校が70%、高等学校は100%が実施
内容・講師や学校によって内容は異なるが、小学校は命や出産、中学校は科学的な視点からの性、性感染症、予防・避妊、二次性徴、デートDV、高等学校は出産や不妊に重点を置いて実施されていることが多い。最近の状況を踏まえ、LGBT等も扱われるようになっている
実施にあたっての工夫・「第2期群馬県教育振興基本計画」において、性・エイズ教育講演会の開催を規定
・平成30年までに上記対象校における100%の実施が達成目標として掲げている
・外部の専門家が講演することにより、生徒学生の興味を促す
・学校の教員は、学習指導要領および教科書に基づき授業を行うことが求められる。一方で、最近の課題や専門的な内容については、記載が不足していたり、教員が教えるには専門性が高すぎたりする。この点を外部講師に補完してもらっている
・小・中学校の場合は、市町村が実績をとりまとめ、毎年3月に県に報告される
・高等学校に関しては、県から各学校に実施を呼びかけ、学校から毎年6月に実施計画書が提出される。具体的な内容は、講師と学校が決定する。講演会実施後、翌年2月までに講義内容や講師を記載した実施報告書が提出される。なお、講演会が実施されなかった場合は、学校および社会教育主事に対し、次年度の実施について、県の施策に基づく実施を依頼する
・実施結果については、年に1度の「学校保健審議会」にて報告する。審議会の中で、性に関する最近の課題等が共有されることもある

■ 性・エイズ教育に関する指導者研修会(以降、研修会)

対象者・県内の小、中、高等学校、特別支援学校の高等部に勤務する養護教諭、保健主事、保健主事
・平成28年度は350名が参加。各校から必ず1名出席してもらえるよう依頼をした結果、80~90%の参加率
講師・文部科学省や健康教育の専門家等、外部講師による講義が中心
予算措置・県の事業として実施
実施頻度・年に1回(小学校向け、中学校・高等学校向けを隔年で実施)
内容・文部科学省からは、国の保健教育の手引きをベースに、どのような教育を実施すべきかを伝えてもらう
実施にあたっての工夫「第2期群馬県教育振興基本計画」において、性・エイズ教育研修会の開催を規定

強み

  • 県庁内、外部ステークホルダーとの連携
    • 講演会の予算の他部門との分担は、10年以上前から継続している。他にも、養護教諭向け研修会を実施した際に人権男女・多文化共生課が作成したデートDVについての資料を配布する等、教育委員会と他部局との情報共有や連携ができている。
    • また、「群馬県学校保健審議会」に医師会、歯科医師会、薬剤師会の代表が委員として参加しており、助言や協力を仰げる体制となっている。

課題

  • 小・中学校への展開
    • 小・中学校における講演会の実施100%を目標としているが、県として予算措置をしているわけではないため、今後どのように実施校を増やすかが課題。
  • 扱うテーマ、提供すべき情報の取捨選択
    • 「性・エイズ教育」は、「健康教育」の一環だと考えている。健康教育における課題は多岐にわたるうえに、さらにLGBT、性犯罪、インターネット等の新しい課題が出て来るなかで、何を重点的に扱うかの判断が難しい。講演会に盛り込める内容にも限界がある。
    • 新しい課題に対しては、最新且つエビデンスに基づく情報を収集することが難しい。

今後の展開の方向性

  • 事業の継続
    • 本事業を継続し、まずは目標としている平成30年度の講演会実施数を達成する。

他のステークホルダーへの期待

  • 国(文部科学省)
    • 性教育に対する予算措置や研修会の実施等、積極的な取り組みを継続してほしい。
    • 新たな課題に対する情報提供や、教育における具体的な方針を提示してほしい。

インタビュー協力

  • 群馬県教育委員会事務局 健康体育課

インタビュー実施:2017年12月